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電脳おでん村正店長、
ゆきまるの日常や考察。

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ゲーム配信者は決して思い上がってはいけない。

「ラストハルマゲドン」「学校の怖い話」などで有名な飯島多紀哉さんが、あるゲーム配信者に対し不快感…どころか激怒して話題となってます。

事の発端は、あるゲーム実況者が「アパシー殺人クラブ」というノベル系ゲームを発売日当日に全ルートのエンディングを公開する配信をやったことです。これに対し飯島さんが苦言を呈したところ、ゲーム実況者が「クソゲー判定」と言い出して煽りはじめ、飯島さんが訴訟する考えを示して事態が大きくなっています。

事の経緯等はこちらのTogetterのまとめをご覧ください。

飯島多紀哉さん、配信禁止の新作ゲーム「アパシー殺人クラブ」を無断で配信したあげく「ゲームつまんなかったぜ」と挑発までした実況者に対して訴訟を宣告

事件の内容については他のゲーム系ブログや情報サイトがとりあげているのでそちらを見ていただくとして、ここではゲーム配信者とゲームの関係性と付き合い方について書いていきます。

目次

ゲーム実況者はクソゲーと言ってはいけないのか

まず大前提としてですが、ゲーム実況者はゲームがなければ実況ができません。

これはゲーム実況に限らずゲームブログや情報サイトもゲームがなければ成立しません。

だからゲームに対しては最低限(最大限ではない)の敬意を払う必要があると思います。まして自分の投稿などでとりあげるゲームについてはなおさらです。

その上で、例えばゲームの評価や問題点を指摘するのは良いと思います。遊んだ結果自分とは合わなかったり、ゲーム自体が不出来であるがゆえに「クソゲー」と評してしまうことはあるかもしれません。

それは商品を発売し購入したデベロッパー・パブリッシャーとユーザーの関係性としては至極真っ当なものだと思います。

ただし、それを世間に示すのであれば、単なる感想だけではなく、なぜクソゲーと思ったのかを理解できるように説明する必要があるでしょう。

ちなみに私はプライベートでは「クソゲー」ということはあっても、配信ではクソゲーという強い言葉を使うのは控えてますし、私がプロデュースしているVtuber、ヴァルナ・ユキにもクソゲーという言葉は使わないようにと厳命しています。

配信にはそのゲームが好きだから遊びにくるリスナーもいます。そういうリスナーが、嬉々として自分の好きなゲームをクソゲーと貶める配信者を見たらどう思うでしょうか?

もちろん、配信する上で合う・合わないはあるとしても、例えば難しいなどと言えばそのゲームの好きなリスナーがアドバイスをしてくれるかもしれません。そういうコミュニケーションの中でリスナーが増える可能性があります。

しかし端からクソゲー扱いして(本人は)面白おかしくクソゲーと切り捨ててしまえば、その言葉の強さとゲームに対する敬意の無さに呆れてリスナーは離れていくことでしょう。

そういうデメリットを抱えてまで、ゲームを貶める意味が私にはわかりません。

そもそも、自分と合わないと思ったゲームは実況するべきではないと思います。

発売日最速配信の是非

配信者の中には「発売日最速配信」をウリにしている人もいます。

ただし、そういうゲームはストーリー性が希薄なアクションやシューティング、過去作のリメイクなどにとどめておくべきで、今回のようなネタバレが致命的なノベルゲームなどではやるべきではありません。

発売日最速配信については、メーカー側から配信者にゲームを提供されて発売日に配信してほしいと頼まれるケースもあります。

ゲームの話題性や需要も発売日直後が最も高いので、発売日直後に配信でゲームの認知度をあげるという行為はプロモーション的に決して悪いものではありません。

なので、発売日当日配信はメーカーにとっても配信者にとってもメリットの大きいものとなっていますが、先述したとおりゲームのジャンルによっては発売日当日にエンディングを見せることが致命的な影響をもたらすこともあります。

そのあたりは配信のガイドラインを守るべきなんですけど、そもそもゲーム配信者ならば「このゲームをこのタイミングでクリアしたらマズい」と常識的な判断を備えるべきではないでしょうか。

昨今、ファスト映画が問題になっていましたが、配信動画も同様で自分がゲームをせずとも重要なシーンだけシークして物語を知りエンディングを見ることで「購入せずともそのコンテンツの全容を知る」ことができてしまうわけで、そうなると物語性重視のコンテンツにとっては購入の可能性があるユーザーが離れてしまうきっかけになってしまいます。

話題性だけで発売日当日配信を行い、無責任にコンテンツの中身を暴露するのはゲーム好き、ゲーム実況者としてありえないことであって、チャンネル登録数やリスナーを稼ぎたいとしてもそこは最低限のラインを引いてやっていいこと悪いことを踏まえるべきです。

ゲーム配信はゲームの売上に貢献しているのか?

ニコニコ動画時代、アニメのMADがすごく流行りました。

しかし私はこのMADがどうも苦手で、確かに見ていると面白いのですが、当時アニメの販売を行っていた身からすると、勝手に他者に権利のある動画を切り貼りするのはいかがなものかと思わざるを得ませんでした。

しかしMAD制作者やMAD愛好家はこういういうのです。

「このMADが売り上げに貢献している」と。

確かに、MADから認知があがったコンテンツも多数あったでしょう。でも、それはMAD制作者が言っていい言葉ではありません。

MADはあくまでそのアニメがあったからできたものであり、そのアニメがなければ存在しえなかったものです。当然権利者にMADの製作を認められたわけではないし、法的にグレーな存在にも関わらず、誇らしげに「俺が売り上げに貢献した」というのは非常におこがましいのです。

この潮流がゲーム配信にも生まれています。

一部のゲーム配信者の中には「自分の配信がゲームの認知を広げている」と思い込んでいる人がいます。

先述したように、メーカー側も配信によるプロモーション効果を認めて発売日当日配信などを依頼するケースも増えています。

しかし、その配信を見てどれだけの人が当該ゲームを買ったという数値は明かされていません。つまりメーカー側も、配信者に対する配信依頼なんて広告代理店に依頼するよりずっと安い金額でできる広告程度にしか思っていないということでです。

おそらく、ある配信者に配信依頼してこの程度の売上が期待できると計算した上で依頼しているメーカーなど皆無でしょう。
広告を出す場合は様々な指標によって効果測定を行いますが、動画からの購入は概要欄のリンク等を経由しなければ測定が難しいと思われます。

なので、自分のゲーム実況がゲームの売上に貢献しているということはほぼ無いに等しいということは自覚しなければなりません。

むしろ、そのゲームのおかげで実況ができた、と考えないといけません。

繰り返しますが、自分の配信のおかげで認知が広がっていると考えてはいけません。

ゲームは製作者のものであり、遊ぶ人のものである。

そしてもう一つ認識しないといけないのは、ゲームは製作者に著作権があるものであり、かつ購入した人たちのものである、ということです。

ゲーム実況者だって買ってあそんでいるじゃないか、と言われるかもしれませんが、だからこそ多くのゲーム制作者やメーカーはゲーム実況やそれに関わる収益に対して大目に見てくれているものだと思います。

つまり、配信者は一お客様の立場を忘れてはいけないということであり、かつ同じように購入した他のユーザーの楽しみを奪うようなことはしてはならない、ということです。

この距離感は先述した通り、ゲームのジャンルによって大きく異なると思います。

例えば旧作アーケードゲームの現行機移植であれば、エンディングをさんざん擦られているのだから、むしろエンディングまでどうプレイするのか、というをリスナーに求められることになるでしょう。

一方で今回のようなストーリーが価値のすべてを占めるようなノベルゲームでは、ネタバレは商業的にも大きな損失になりかねません。

なぜならアーケードゲームなら最適解があったとしても各プレーヤーによってプレイングは変わるし、本人が遊ぶことに意味があります。

しかしノベルゲームは誰が遊んでもほぼ同じ道筋、同じ結末を迎えるという意味で、プレーヤーによる差異が生まれづらいです。

これがファスト映画のようなかいつまんだものならまだしも、ゲーム配信で最初から最後まで配信されたら、潜在的な客を失いかねない事態となります。

このような話をすると「ネタバレ配信を見にきてる人はそもそも購入する気がない人」という意見が出て来たりします。
これはWarez問題でもよく使われた「言い訳」ですが、買う気がないからいいという言い訳はなんら正当性をもちません。

欲しいと思っている人も道徳心が低ければWarezに手を出すでしょうし、興味を持って配信を見に来た人もまるっとエンディングまで見てしまえば買う気が失せるかもしれません。

ゲーム配信者は常識に基づき謙虚にゲーム配信を行うべき

繰り返しになりますが、ゲーム配信はゲームがなければできません。
そのために、ゲームが継続的に売れ続け、ゲームメーカーが継続的にゲームをリリースできる環境が

だからこそ、最低限の敬意とマナー、そして常識に基づいて自分なりの配信スタンスを決める必要があります。

そしてそのスタンスの上位に位置するのが各メーカーが定める配信ガイドラインであり、ガイドラインは絶対であるといっても過言ではありません。

ゲーム配信者はチャンネル登録数や同接などを念頭におきながら配信するゲームを選びます。
そのような意味でゲームの取捨選択できる配信者の方が強いと考えてしまう人もいるでしょう。

しかし自分の勝手な都合でゲーム配信のルールを破るのは、ゲームに携わってクリエイティブをやっていこうと考えている人間の発想としては致命的です。

これが数年前ならもっと配信規定も緩く、このような問題も「見逃されていた」わけですが、ゲーム配信の視聴率と影響力が強まるにつれ、また、無作法な配信者が増えたことでメーカー側もガイドラインを制定しなければならない状況となっています。

今後もゲーム配信の文化を続けていくためにも、ルールと常識を守り、できるだけ自由に配信できる環境を長続きされる努力を、各配信者が念頭に置いて活動することが望ましいでしょう。

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