桃太郎伝説を遊んで分かる、ファミコンRPGの難易度変遷。
プラットフォーム:ファミリーコンピューター
発売元/開発元:ハドソン
発売日:1987年10月26日
いきなりですが、ドラクエって経験値7を稼ぐとレベルが2になるんですよ。すごくないですか?
スライムでもスライムベスでも7匹倒したらレベルがあがるんですよ。これってすごいことなんです。
堀井雄二さんのインタビューによると、レベル1から2はすぐにあがる…つまりほどほどにスライム倒してたらあがるくらいの経験値量にしたそうです。
理由としては「ゲーム始めてすぐレベルアップの爽快感を知ってほしかった」とのこと。早期にレベルアップという儀式を経験することで敵を倒すとキャラクターが強くなること、ゲームへの没入度を高めたいという意図もあったでしょう。
すぐといっても2、3匹だといくらなんでも早すぎるし、10匹だとちょっと遠すぎる。だから7匹なんでしょうけど、この感覚が堀井さんのすごいところなんですよね。
こんな配慮がされたRPG、当時はPCのRPGを含めてもなかったはずです。
どっちかというとレベル1で苦戦を強いられる期間が長いRPGの方が多く、苦労してレベルが2になってようやく冒険のスタートに立てるようなゲームばかりだったような気がします。
ドラクエってやっぱりすごいんですよね。

で、先日、レトロフリークインストール配信で桃太郎伝説を遊んでみたんですけど…

ドラクエと同じく、レベル2にあがるのに必要な心(経験値)こそ7なんですが、序盤から現れるオニきのこなどの敵が強く、レベルがあがるまでの時間はかなり長く感じられました。

このオニきのこ、ドラクエ1のスライムのようにレベル1でも2発殴れば倒せる弱さじゃないんですよね。
数発殴らないと倒せないし、反撃も痛い。一度宿屋に戻らないと死んでしまうほどの強さです。
ドラクエも桃伝も、ジャンプの編集者が関わったRPGで、システムの味付けも似ている感じではあるんですけど、レベル2になる過程は同じ経験値7でも大違いでした。
桃伝の悪口を言いたいわけではありません。桃伝がこのような「ドラクエよりちょっと難しい」ゲームになったのにもわけがあると思います。
多くのファミコンRPGがドラクエを模範としながら、なぜかその「爽快感」には目を向けず、特にファミコン後期のRPGとなると高難度化が進むことになっていきました。
ドラクエを模範にしてもドラクエを作るわけにはいかないし、ドラクエを超える体験(ユーザー満足度)を作るには、当時のファミコンゲームあるあるですが「難しくする」しかなかったのかもしれません。
事実ドラクエをはるかに凌駕する難易度のウィザードリィあたりがヒットした背景を考えると、当時のファミコンキッズはドラクエよりも強い刺激を求めてRPGジャンキー化していた可能性があります🤣
桃太郎伝説もその高難度化の波の中で市場の需要にこたえるため、同じ「経験値7」でもこのような形になってしまったのかもしれませんね。
ドラクエⅡで謎の高難度化を経てⅢで素晴らしいバランスになるのですが、なかなかレベル上げ一つとってもRPGの味付けって難しいんだなーと思った今日この頃でした。
桃太郎伝説のアーカイブはこちら。最序盤しか遊んでませんが、懐かしいと思ってくれたらうれしいです❤
ゲームの面白さ判定:★★★☆☆
(序盤しか触れてないのでこの判定。いつかちゃんと遊びたい)
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