株式会社PiXELとM’sArt(古川元亮)の和解決裂について
※この記事はあくまで筆者の所感を著すものです。
10月7日、株式会社PiXELの代表、佐々木英洲社長がこんなツイートをしました。
なんの和解が決裂したかというと、4年前から続くスチームパイロッツの制作費をめぐる裁判の和解交渉が決裂したということです。
スチームパイロッツの制作費をめぐる裁判とは、当時M’sArtが制作を宣言していたツインビーの精神的後継作、スチームパイロッツの制作費をM’sArtが拠出せず、2年間の制作費未払いに対しPiXEL側が300万の製作費を請求したものでした。
スチームパイロッツに関してはこちらの記事にも少し書いてますので、ご一読していただけると嬉しいです。
本件は最初は「お金がないから売上を折半で作ってほしい」と話を持ちかけられ引き受けたとのこと。その後規模が拡大しクラウドファンディングで1100万円の資金調達に成功。にも関わらず制作費は売り上げの折半の契約のままというわりとメチャクチャな口約束で話が進んでいたらしく、PiXEL側に払われることはなかったとのこと。
しかもクラウドファンディングは二回にわたって行われており、特に二回目は制作費の追加という名目で行われていました。にも関わらず、一切PiXELに支払われないという闇深い状況。
M’sArtの代表は「グラディウス2」「グラディウスⅡ」などの楽曲を制作したコナミ矩形波俱楽部のリーダー、古川元亮氏。その神性ともいえる高いカリスマ性と信頼によりクラウドファンディングはシューティングゲームのものとは思えない金額で着地しました。
それだけ注目度の高いプロジェクトでしたが、ゲームは一向に完成せず、それどころか製作費未払いにより制作会社と揉めることになったという経緯です。
なお、CFプラットフォームであるマクアケは進捗報告無しプロジェクト未完を理由に出資者(全員ではなくて希望者)に返金をおこなっています。
裁判は4年に渡り続いてきたのですが、今年の6月12日の尋問の後に一応の決着というか、仙台地裁にて和解案が提示されて事態は収束するかと思われてました。
しかし…。
続くツイートでは、先方(発注側のM’sArt)がさらなる要求を行ったため、6月の和解案は決裂となりました。
ちなみにこの裁判、実はよくわからない経緯をたどってまして、特にM’sArt側の悪あがきがひどい状況でした(PiXELの主張は一貫して制作費の支払いのみを争点としている)。
超ざっくりと簡単に書くとこんな感じです。
1.PiXELがM’sArtに300万の制作費支払いを求めて裁判を起こす。
2.M’sArt側はこれに対し名誉棄損やピクセル降板後の次のゲーム制作費として損害賠償約800万の支払いをもとめ別訴。
このような渾沌とした裁判が4年ほど続き、今年6月にてようやく和解案が出たのですが、いわゆるゼロ和解だったようです。
それが10月に入ってこのような事態となり、PiXELが飲んでいた和解案も決裂となった、というわけです。
このままいけばM’sArtはPiXELから要求されていた300万円の債権もなかったこともできたのに欲が出てしまったようですね。
なお、この件に関して、本サイトが掲載している佐々木社長のインタビューにも痕跡が残されています。
最後の設問に対していい感じの回答をしていますが、この時点では和解案の是非が問われている時期なので、裁判についての中身が明言できなかったそうです。
なお、6月の証人尋問において、みなさんが一番気になっているクラウドファンディングで集めた資金について、M’sArtの雨宮天気氏はこう答えたそうです。
(1)金銭の管理は雨宮(古川氏雨宮共に証言)
(2)資金は公私複数の口座で管理しており、残高は把握出来てない。
(3)「クラファンの経費、現時点までの支出を提出することは可能ですか?」という質問に対し「提出したくないです」
クラウドファンディングのお金を公私複数の口座で管理していて残高確認できないのもすごいですが、裁判所の証人尋問において「クラファンの経費、現時点までの支出を提出することは可能ですか?」という質問に対し「提出したくないです」が許されるのが驚きです。裁判で言いたくないですは通用するのでしょうか!?
このように、M’sArt側はクラウドファンディングで集めた資金の用途を明示していません。できるわけがないのでしょう。
今後の裁判で用途は明らかになるのでしょうか。そして明らかになった時、M’sArt側はどんな顔をするのでしょうか。
ともあれ、今後の裁判の行方を見守っていきましょう。
そしてPiXELさんはこんな裁判に疲弊することなく、バウンティシスターズの完成に向けて頑張ってほしいです。
楽しみにしています。
電脳おでん村正ではこの事件をこれからも追っていきます!

