店長インタビュー

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ザナドゥへの熱すぎる思い。ザナ師あすとさんインタビュー!

今月のインタビュイーは、ザナドゥのRTAやTASのほか、様々なチャレンジや分析などを行い、ザナドゥをとことん楽しんでいるザナドゥの伝道師、あすとさんにお願いしました。

あすとさん、まずは自己紹介をお願いします。
あすとです。Astと書いてあすとと読みます。Xanadu Laboratoryというザナドゥのデータサイトを1998年からやっております。え? もう26年になるの?嘘でしょ??
まずはあすとさんとザナドゥとの出会いと、ハマッたきっかけを教えてください。
小さい頃、ちょいちょい父の会社に遊びに行くことがあったんですが、昼休みになるとみんなザナドゥで遊んでいました。
その時に空いてるPC(9801)で遊ばせてもらったのがザナドゥとの出会いでした。
当時はまだ自身が小さかったことと、いつでも遊べる環境がなかったこともあって、まぁ当然クリアなんてできるわけもなくそのまま年月が過ぎていったわけですが、1995年にリバイバルザナドゥが発売されたもんですから、「ザナドゥがまた遊べる!」と嬉々として買いに行きました。忘れもしない、蒲田のLAOXですw
念願かなってザナドゥを遊べる環境を手に入れたものの、結局クリアするのに1か月くらいかかりましたけどね。やっぱり難しいものは難しいです。
で、クリアした後も何度か遊んでいると色々と新しい発見があって。そのうちキングドラゴンがノーダメージで倒せる方法を見つけると「ザナドゥって意外と色んなことができるな」って気付いたんですよね。そうして色々やってみた結果があの縛りプレイやRTAってわけですね。
あすとさんはザナドゥの総合攻略サイト「Xanadu laboratory」を運営しています。サイトを立ち上げようと思った理由はなんでしょうか?
学校の友人(3人くらい)にリバイバルザナドゥを貸したんです。「これやってみてよ」って。そしたら「難しすぎて無理」と返されちゃったんですね。これは攻略サイトが必要だなと思ったわけですよ。
でも当時は攻略サイトなんて無くて、これは自分で作るしかないなと思ったのがきっかけです。もともとはクリアできないザナドゥプレイヤーのためにと作ったものですが、今や自分の攻略用メモ帳でもあります。
自分で使う分にも役に立っているし、きっとみんなの役にも立っている……はず!
Xanadu laboratoryはザナドゥのネット記事や同人誌を作っている方も参考にしているので、世間のザナドゥプレイヤーのお役に立っていると思います。

上記のXanadu laboratoryをはじめ、あすとさんは様々なザナドゥに関する活動をしております。その中で苦労したエピソードを教えてください。
やっぱりデータ集めは大変でしたね。モンスターのデータにしたって最初はゲーム内でで得られる情報しかありませんでしたから。それらをノートにメモして、それからサイトのページに転記して、ってやっていました。シナリオ2のマップもリバザナのマップっぽく作ってありますけど、あれも最初は全部手作りだったんですよ、画像編集ソフトでマップチップを手打ちで並べて、ってやって。
今でこそモンスターのデータもマップのデータもバイナリ読み込んでスクリプトでデータ変換してってやってますけど、それだって何のデータがどこに格納されているのか分かっていないとどうしようもないんです。いや~探すの大変でしたよ。データとにらめっこしたところで16進数の羅列が何を意味しているかなんてそうそう分かるわけないじゃないですか。
でも、その甲斐あって正確なデータをたくさん公開できるようになったわけですから万事OKです。大変ではありましたけど苦労とまでは思っていませんね、それはもう自由気ままにやらせてもらってますので。

あとはまぁ……サイト中に『実験室』といういわば縛りプレイやRTAを扱ったコンテンツがあるんですが、いくら苦労した縛りプレイでも、文字にするとそれがなかなか伝わらないのがもどかしかったです。
「左に行かずにクリア」ってとりわけ頭のおかしい縛りプレイも「やってみたら出来ました」みたいになっちゃって。やがて動画投稿サイトの台頭でゲームの録画が手軽にできるようになってきて、これはもう動画にするしかない、と気合い入れて左に行かないプレイを録画したんですよ。そしたらノーカットで20分くらいの動画が出来ちゃって。なんなら左に行ってないって言われなきゃ
分からないという、苦労も何も伝わらない動画に仕上がりました。世の中ままならないものですねえ。
レベルの高いプレイはそのゲームに精通してないと理解されないという難しさはありますよね。
それはマイナーゲームを高いレベルでプレイしているゲーム配信者にも同じことが言えると思います。

さて最近、特にSwitchのEGGコンソールでザナドゥが配信された結果、配信者やVtuberの方の中でもザナドゥをプレイしている人が増えたと聞いています。あすとさんはザナドゥ実況には必ず現れるとの噂がありますが(笑)、実況を見る上であすとさんが特に注目する点などはありますか?
「この人はこの難しいゲームをどう攻略するのかな」これに尽きますね。ザナドゥって人によってプレイスタイルが全然違ってくるんですよ。性格が出る、って言うんですかね。
初期パラメータをどう振るか、どの装備品を買うのか、どのモンスターから倒すのか、アイテムの使いどころはどこなのか、もうね、上手い方でも初見の方でも全部が注目点なんです。
さすがに電撃戦(ワープアイテムを使って先の面へ行き、強い装備を取ってくる攻略法)するとなると見所はかなり減っちゃいますけどねw

あとザナドゥに限った話ではないですが、配信者さんがどれだけゲームに真剣に向き合ってくれるか、ですかねえ。ゲームそっちのけで関係ない話ばっかりされてしまうと、さすがにザナドゥと言えど途中で見るのやめちゃいます。まぁそこまで露骨な方はいませんが、ゲームしながらの雑談配信とかは見ないようにしています。「この人、僕の好きなゲームに全然興味持ってくれないな」って非常に残念な気分になるので。そういう意味では、投稿動画は安心して見られますねw
ズバリ、あすとさんが考えるザナドゥの面白さってなんでしょうか?
ズバリ、自由度の高さです。これは「何でもできる」と言う意味ではなくて「何をしてもいい」と言う意味なんですけど、ザナドゥってフラグ管理ほとんどしてないんですよ。
最終面のタワーに入るためにクラウンが4つ必要、そのくらいじゃないかな? なのでそれ以外は何をしてもいいんです。このアイテムを持ってないと先に進めないとか、あの武器がないとボスが倒せないとか、そういう要素は全く無いわけじゃないけど、あって無いようなもの。 攻略の順序だって1面ずつ攻略してもいいし初手9面へ飛んでもいい。本当に自由。
魔法を使わなくても、雑魚敵を倒さなくても、鍵を買わなくても、初期ステータスがSTR10でそれ以外は0でも、左に行かなくても、クリア出来ちゃう。

「ザナドゥってどこまで自由なの?」

そんな疑問が、僕が今までにやってきた縛りプレイの原点というわけです。もうね、ここまで来ると「こんな縛りでクリア出来ちゃう俺すごいでしょ」とかそういう低次元の話じゃない。

すごいのはゲームの方。懐が深すぎません? いくらなんでも10分ちょっとでクリアできちゃうゲームなんて当時他に無かったんじゃ?? 僕が知らないだけかもしれないけど。
ザナドゥ以外のゲームで好きなゲームはなんですか?
音楽ゲームが好きですね。音ゲーとかリズムゲーとか呼ばれていますが、そういったものにハマって一時期毎日のようにゲーセン通いしていました。プレイ時間で言えばザナドゥよりずっと多いと思います。特に「ドラムマニア」が好きで、数年前にとうとうドラムを習い始めました。リアルの。リアルと言っても実際に練習で叩いているのは電子ドラムなんですけど。
で、そのドラムの先生というのが、かつてファルコムjdkバンドのドラム担当だった岡島俊治さん。何か新しいことを始めてみたいなあと思っていた所にツイッターで生徒募集していたので声をかけたら、返ってきた言葉が「ザナドゥでも叩くの?」でした。 La Valse Pour Xanadu(ザナドゥのメインBGM)にドラムパートはありませんけどね……

って、ザナドゥ以外のゲームっつってんのにまーたザナドゥの話になっちゃったよ。ゲーセン通いはしなくなったけど音ゲーはまだやってます。MusedashとA Dance of Fire and Iceが大好きです。
ザナドゥ以外のファルコムのゲームについて、ハマった作品はありますか?
イース -フェルガナの誓いはめっちゃ遊びましたねー。HARDまではやったかな? 難易度はちょっと難しいくらいで、とにかくボス戦がアツイ! そしてクリアまでの時間も長すぎないからちょうど良いんですよ、遊んでてダレない。これの前に出たイース6が操作性に難があって個人的にはイマイチな評価でしたが、フェルガナは操作性が改善されてて、直感的に分かりやすい。
とにかく遊びやすいんです。同時期に発売されたザナドゥNEXTも好きなんですが、アクションゲームとして見るとフェルガナに軍配が上がりますね。
あとは、ハマったというほどではないですがガガーブ3部作(英雄伝説3,4,5)、特に白き魔女(英雄伝説3)は今でも心に残っているゲームです。
これからザナドゥを始める人たちに一言お願いします。
確かに難しいゲームだけど!!!!!!! みんなが思ってるほどじゃないから!!!!!!!!!!!!!
リソース管理ゲーなんて言われてるけど!!!!!! そこまでシビアでカツカツな管理は要求されないから!!!!!!!
アイテム使いどころ間違えると詰むとか!!!!! 鍵を山ほど買いだめしないとクリアできないとか!!!! みんな脅かしすぎなんだよ!!!!!!!

難しいのはどっちかというと最初の方で、中盤乗り越えれば意外とどうにかなります。頑張ってください。
あすとさん、インタビューありがとうございました。これからもハッピーでヒートを感じるザナドゥライフをお楽しみください。