店長インタビュー

「電脳おでん村正」に関わる人々や、
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ゲームプロデューサー
桑原敏道
ゲームプロデューサー

レトロで斬新なハクスラRPGを作り続けるインディーゲーム制作会社社長、桑原敏道さんインタビュー。

今月の電脳おでん村正のインタビューはなんと!ついにインディーゲーム制作プロダクションの社長が登場です! インタビュイーはサウザンドゲームズの桑原敏道さん。ハクスラRPG『QUESTER』や『モノクローム・エコーズ』の開発で知られ、Web上のイベント『インディーゲームWEBオンリー』の主催者としても知られてます。 今回はそんな桑原さんのルーツなどをいろいろお聞かせいただきます。

それではまず、桑原さんのこれまでのゲーム歴、パソコン歴を教えてください。
パソコンでいうと、父が働いていた会社に遊びに行ったときにPC-8001(たぶん?)を触ったのが最初だったと思います。BASICが動いたので、ゲームプログラムを入力して遊んでみた感じですね。時期的には小学生の高学年頃です。好きになったとはいえ、高級品だったパソコンは買ってもらえず、しばらくはナイコン族でした。パソコンショップ「Bit-INN (ビット・イン)」みたいなところに通ったりしましたね。
ずばり、桑原さんの中で一番思い出深いゲームマシン、パソコンはなんですか? 理由も教えていただけると幸いです。
衝撃を受けたのはPC-8801mkⅡとかSRですね。『テグザー』はゲームも音楽も凄かったなあ……。でも、思い出深いというと完全にMSXですね。最初に買ったパソコンはFM-Xですし、MSX2の頃には(技術系の高校だったので)友達の大半が持っていました。だから対戦ゲームもいっぱい遊びましたし、修学旅行にも持って行った位なので。

MSXにハマったせいでファミコン系のゲームに、ほぼ興味を持てませんでした。そういう意味でレアな人材になれたと思っています。「ドラクエよりファランクスだぜ!」みたいな?

MSXは遊ぶのも、解析するのも楽しかったですね。『信長の野望』とか『ウィザードリィ』はプレイをするより解析したり、改造したりしたほうが時間を使ったんじゃないかな。BASIC・アセンブラ・C言語・DOSの仕組みも、全部MSXで覚えました。
桑原さんのゲーム開発者としての経歴を教えてください。
高校生の頃にはボードゲームを制作したり、PCゲームの移植をアルバイトとして始めました。PC-88のゲームをPC-98やMSX2に移植するお仕事ですね。その後、事情があったり、自信をなくしてゲーム開発から一瞬離れたのですが、プレイステーション(PS1)やセガサターンに衝撃を受けて、またゲーム業界にプログラマーとして復帰しました。ですので、PS1の頃まではプログラムも結構やっていた感じです。

その後、ゲームデザイナーを目指して転職した時に、恋愛シミュレーションゲーム『エーベルージュ・スペシャル』のディレクターに抜擢して頂きました。ビックリです。バブルで人材不足だったのかもしれません! その時に知り合ったのが今、『QUESTER』などのサウンドをやってくれている新保茂行さんですね。

『エーベルージュ・スペシャル』はPC版をだして、その後で家庭用ゲーム機向けにパワーアップしてから移植をしましたので、数年間かかりっきりでしたね。その後、TAKARAさんからのお仕事として、憑依をテーマにした恋愛ADVゲーム『君の気持ち、僕のこころ』をつくっています。両方とも思い入れがあるので自分でリブートしたいんですが……。

『君の気持ち、僕のこころ』の開発が終わった直後、エンターテインメント・ソフトウェア・パブリッシング(ESP)にいた先輩に誘われて転職し、アシスタントプロデューサーとしての業務に移行し始めました。その会社はゲームアーツやトレジャーのゲームを扱うパブリッシャーです。そんな訳で、宮路洋一さん・宮路武さんが私のプロデューサーや経営者としての師匠という感じになっています。

ESPでは出版社系のiモードサイトの立ちあげを担当することになり、それがきっかけでG-mode(携帯電話向けコンテンツのコンテンツプロバイダー)の起業メンバーとして合流していったという流れです。

長くなりました! G-modeのお話は、こちらのインタビューで語っていますので、割愛させていただきます。ごめんなさい!

https://news.denfaminicogamer.jp/interview/210308b
『QUESTER』ではあの『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』の萩原一至先生とコラボレーションしています。知り合ったきっかけなどを教えてください。
萩原さんはゲームが大好きな方で、企画もいっぱいお持ちなんです(同人誌などにも一部公表されています)。ですが、なかなか実現していなかった。そこで共通の知人が「桑原だったら何か面白いことをしてくれるのでは?」ということで、繋いでくださったんです。

『QUESTER』を進める前は、萩原さんのオリジナル企画を含め、もっと大きな企画を他社に営業したりもしたのですが、なかなか話が決まりそうもなかったんです。コロナの影響もあって営業するチャンスも激減しましたし。「でも、なにか一緒にやりたい!」ということで、思い切ってインディーゲームや同人ソフトという形でお誘いしてみました。萩原さんが、「面白そうだから、やる!」とおっしゃってくださって本当に嬉しかったです。
第二作『モノクローム・エコーズ』、私も楽しませてもらっています。『QUESTER』の正当進化版ともいえるシステム、ボリュームですが、制作にあたってなにか苦労されたところはありますか?
プロデューサーの立場から言いますと、やっぱり予算・スケジュールとの戦いですね……。あれも入れたい、これも入れたいとなりがちなので! 実際のところ、二本立てで予定していたブラック編の内容も、ほとんどホワイト編に入っているんです。
御社には公認のVtuber、茶点カノンさんがいらっしゃいます。広報にVtuberを起用したことでどのような効果がありましたか?
ゲームメディア以外のアプローチってなかなかできないので貴重ですね。実際、茶点カノンさんのファンの方がご購入してくださったり、イベントに来ていただいたりしました。また、『QUESTER』は敷居が高いし、ルールが簡単ではないので、動画をみて判断していただけるのも大きいです。

それから茶点カノンさんの試遊アシストイベント(リアルイベントで茶点カノンさんがゲームの説明をリアルタイムでしてくれる)は、メビウスさんも感心してくださって、両社が仲良くなるきっかけにもなりました。
桑原さんはゲーム開発の他にもインディーゲームWEBオンリーも主催されています。インディーゲームWEBオンリーを始めたきっかけや理由を教えてください。
イベントが好きなんでしょうねえ。人見知りなのに! それはさておき、イベント出展って結構な出費になりますよね。特に遠征するとビックリする位になります。インディーゲームのイベントって、即売会っぽくないので売上もあまり期待できないんです。あと、某イベントでお客さんが入り口付近に滞留しちゃってイライラしたことがあったんですね。あの時は一時間ほど奥の方で待ったのかなあ……。そういうのが嫌だったし、審査があるようなイベントや配信も好きじゃないんです。つまり既存のイベントに、ちょっとずつ不満があったんですね。だったら、自分で立ちあげてみようじゃないかと考えました。

「利益を目的としないパブリッシャー(NPO法人とか?)をつくるべきだ!」と、ずーっと思っているのですが、その代わりにもなるかなとも考えました。ちょっと大げさですが。
これからの活動に関する抱負や方針、告知をお願いします。
まずは『モノクローム・エコーズ』のブラック編を、あたらしいゲーム性をもったものとして、きっちりと仕上げたいです。それから、モノエコのノウハウを活かした『QUESTER』の第三弾も検討しています。これはじっくりと進める感じでしょうか。ラスボスのデザイン画はすでにありますし、萩原一至さん、加藤ヒロノリさんも前向きです。お楽しみに!

そして! インディーゲームWEBオンリーは年2回開催したいと考えています。次回は10月上旬ですので、電脳おでん村正さんは参加必須ということでお願いします!
承知いたしました。第三回インディーゲームWEBオンリーにも参加させていただきます!

今回はお忙しいところ、インタビューにお答えいただきありがとうございました。 今後もサウザンドゲームズのゲーム、注目いたします。
~インタビュイー紹介~

桑原敏道(株式会社サウザンドゲームズ )

出版社のiモードサイト起案をきっかけに本格的にプロデュース活動を開始。複数のiモードサイト立ち上げを経験後、モバイル版TETRISを中核にした総合ゲームサイトの立ち上げと運営を担当。カジュアルからミッドコア、メディアミックスや事業開拓まで手がける超頑固なコンテンツプロデューサー。

◇桑原Pの10分間日記
https://note.com/1000games_pr/m/mf8c72be937c5

◇サウザンドゲームズ(公式X)
https://x.com/1000games_pr

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